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2005年06月15日(Wed)
半年前のおぼえがき
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作成日 2004/12/19
泉で一休みするククール。 身体の疲れはとれても、心はくたくた。 さすがに思いっきりまいっている。
(ここまででククールは 足とキラパンと船で探しまくりの旅に出て イシュマウリや竜神王のところまでたらいまわされたりしている。 ヨダカと揉め、竜神王と取引をしたあげく 血で探せと言われ、ここにほっぽり出されたのだった。 悲惨。)
うとうとしてる時にマルチェロと再会した。 夢だと思っていたので、ククールはあんまり驚かなかった。
こんな夢は最悪だと思って嫌になる。 目覚めたらとても悲しくなるだろうから。
マルチェロは普通に歩いている。 そとからそれと解る怪我はないし、すごく病人のようでもない。
(さんざん探し回ったククールだが、逆にマルチェロに発見されてしまうという。 この時点でマルチェロもククールもそれなりにダメージを負っている)
マルチェロは森のなかでひとりで暮らしていた。 小屋の大きいやつみたいな、何かの跡地。 森のおじいさんの家からは遠い。
無理矢理でもなく、ククールはマルチェロの家についてきてしまう。 マルチェロからすれば、どこにでもまた行けるから、どうでもよかったのかもしれない。
とにかくククールはもうマルチェロの側を離れたくないわけで・・・。 今まで、他人に譲ってばかりだった役目を、自分が果たすべきと確信している。 つまり、マルチェロが悪さをしそうな時に止めてやり、怒るって事を。 マルチェロは一人だとどんどん悪い方へ転がる傾向があるから。
会話はやっぱりぎこちない。 今までは、説教されるか嫌味か、あとは無視ばっかりだった。 ククール自身は本当は無関心に振る舞われる事が一番に堪えていた。 今さら兄弟として向き合うって、お互いに(少なくともククールは)疲れる。
(ククールは幼少期、母親からまったく関心をもたれていなかった。 自分は本当に存在しているのかも疑わしいなか 初めてあったマルチェロが優しかった事、 その後どんなに冷たくても目の敵にされた事は、ある意味ククールを支えた)
マルチェロはあんまり喋らない。 元気もない。 当然。
夜は一緒の布団でねる。 ベッドひとつしかないから。 ククールは一瞬床で寝ようと思ったけど、やめた。
背を向け合ってねむる。 触らないけれど、暖かさは伝わる距離だった。 暖かい方から冷たいほうへ、伝わればいいと、ククールは思う。
マルチェロは文句も嫌味も言わない。 静かだった。
やっとやっと見つけたというのに なんだか放心してしまう。 あんなにあれこれ考えた気持ちも言葉も実際マルチェロを前にすると出てこないし たいした行動もできなかった。 遠慮ととまどいで居心地は良くない。
しかしこれくらいでへこたれるククールさんではない。
なんとなくだらだら過ぎる。
ククールは一生懸命話しかける。 マルチェロは言葉少ない。 答えないことも多い。 けれど無視はしない。 眼をみて話してくれた。
マルチェロはククールを見下ろす。 ククールが大きくなってから、至近距離で見下ろすのは初めてかもしれなかった。 マルチェロの記憶にはなかった。
こころなしか、ククールの肩は小さく見える。 マルチェロはククールが子供だった時を思い出した。
身体はどんどん大きくなったが、ククールはあの頃と少しも変わらないと思った。 マルチェロは変わった。
なにもかも失って、命も捨てようとしたのに。 このククールがそれを許さなかったのだ。 なるほど、復讐の名にふさわしい行為だと、マルチェロは思う。
生きてどうしろというのか。
見上げてくる眼はうす蒼いし、どこをとってもまるで似ていない。 マルチェロはベッドに腰を下ろしてククールを下から見上げてみた。
ククールが近寄ってきてマルチェロの頭をだきしめる。 ぬくもりは久々だった。 目を閉じて母親のことを思う。 申し訳ないと思った。
もう駄目だと気付く。
憎む事で罪を償ってきたはずなのに、もうそれが出来なくなっている。 たった一人で死なせてしまった母の、原因のククールなのに、もう憎悪は生まれてこない。 感情がすべてなくなってしまったようだった。
ククールがマルチェロは少し痩せたと言った。
小屋の外でククールは考え事をしている。 あんまりまともな生活をしていなかった。 ふたりとも料理が絶望的にへただった。 マルチェロになにか、ちゃんとしたものを食べさせるために、買い出しに行くことを決心する。
ククールの指輪に気が付くマルチェロ。 騎士団は結局ふたりとも辞めてしまった。 ククールにも必要のない指輪だったが、ククールは嵌めたままでいる。
一時、頂点にまで登りつめた人間と、それを阻止した人間が、こんな森の奥で暮らしている。 妙な話だ。
(その後ククールは自分の指輪を修道院そばの丘に埋めてしまう。 ずっと前にマルチェロの指輪を投げ捨てようとしたが、結局出来なくていまに至る)
まだ一緒に寝ている。 ククールは、それが大事な事だと思ったが、けして口に出さなかった。 マルチェロに関しては、そう単純なものではないのだと思っていた。 でももうひとつベッドをなんとかすることにした。
マルチェロの体温は低い。 手がいつも冷たい。 ひんやりしているから、なんとか暖めたくて、何度か抱きしめてみたけれど変わらなかった。
城下町に買い出しにいくくく。 キラーパンサーに乗り、マルチェロを振り返る。 なぜか家の外でマルチェロはククールを送り出すという・・。
ククールがキラーパンサーごと近づくと、マルチェロはすごく嫌な顔をしたので、ククールは笑う。 マルチェロはキラーパンサーが苦手。 (どちらかというと動物全般がマルチェロを好きではない)
降りて、ククールはマルチェロに近寄って、いってきますという。
内心帰ってきたらいなくなってるかもなあと思う。 そしたらまた探すかな。 でもいなくなってなかった。
奇妙な暮らしは続いていた。
相変わらずマルチェロは静かだった。 でも変わった事がおきた。 マルチェロがふいにキスをしてきた。 ククールは不覚にも、すごく驚いてしまった。
今まで、感情の高ぶりで、あまりマルチェロを刺激しないよう努めてきた。
外に避難して、ぐったりしているククール。
みあげたマルチェロの眼は静かで、なんの感情も読めなかった。 結局、なにひとつ変わってなどいないのだ。
ここに一緒にいることだって奇跡みたいなのに、どこまで貪欲になる。 ククールは反省する。
ヨダカ達を思いだした。 会いに行けば顔が見れるけれど、かつていつも一緒にいた仲間はもういない。 自分はなにをしてやれただろうかと思う。
マルチェロに幸せになってほしいだけなのに、どうすればいいか解らなかった。
などと清い事を思ったって、やってきた事は最低だった。 そもそも、今までだって、マルチェロがあんなにいやがったのに、修道院に居続けた。 そばにいたかったから。 そうやって、ゆっくり、確実にマルチェロを壊したのはククールだった。
追い出されて、結局離れたけど、それでもうまくいかなかった。
とがっていた先端はすこし鈍くなった。 無理矢理に砕かれて、そこはとてももろい。
ククールは、もう悔やむのはごめんだと思った。 まず出来ることからするべきだと。 今することは、なんだ。
家に入り、マルチェロのもとへ向かう。 そっと口付けた。 何度もついばむ。 深くなる。
修道院の時以来、痛みばかりでないセックスははじめてだった。
結局あたらしいベッドは使われずじまいだった。
目覚めるとククール一人だった。 珍しいので飛び起きる。
薄着のまま外へ出ると、剣を携えたマルチェロがいた。
ククールはちょっと待って、と言って引っ込む。
ククールはレイピアを持参。 修道院を出たときのもので、ろくに使っていないものだった。 錆びていないのが不思議なくらい。 手合わせを願うと、マルチェロは少し笑う。 ククールは剣の腕はマルチェロに遠く及ばないし、旅では杖ばかりだった。 あっさり負けたけれど、楽しかった。
ククールはまた街へ一人で出かける。 いきがけの口うるささにマルチェロはうんざりする。
やっぱり帰って来たらここからいなくなっているかもしれないけれど それでも良いと思った。 運命ならまた会える。
マルチェロは形見のように首飾りをククールの首に引っ掛けた。 みためよりも、ずっしりと重たかった。 見上げても相変わらず無表情だったけれど、ククールは嬉しかった。
指輪は別れのしるしのように渡されたけれど これはそうじゃないと思えた。 ほんの半日だけ、それはククールのものになった。
どっかで、または一部を出したような気もしなくもないです。 恥はかきすてだ! というか、まったく進歩がないなー。

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